【内科医ママが教える】離乳食期の赤ちゃんに起こる鉄分不足の原因と症状は?市販の離乳食で簡単に解決する方法も

こんにちは。
暮らしの【楽】を探求する内科医ママの、ゆずです。

離乳食の時期、赤ちゃんは鉄分不足になりやすいことをご存知ですか?

鉄っていうと…足りないと貧血になっちゃう栄養だよね?

はい、その通りです。
鉄は赤血球の材料になる、これはとても有名ですね。

ところが、鉄の役割ってそれだけじゃないんですよ。

鉄は血液だけでなく、体の様々な細胞で、大切な役割を果たしています。
なので、鉄が不足すると…大人でも子どもでも、様々な症状が出現するんです。

この記事では、

・離乳食期の赤ちゃんはなぜ鉄分不足になりやすいの?
・鉄分不足で起こるのはどんな症状?
・簡単に赤ちゃんの鉄分不足を解消する方法
・授乳中のママの鉄分不足を解消する方法

について、現役内科医ママの視点で、詳しく解説します。

目次

離乳食期の赤ちゃんで鉄が不足しやすくなる3つの理由

離乳食の時期は、赤ちゃんの体内で鉄が不足しやすい時期です。
でも、なぜそうなるのでしょうか…?

ここでは、離乳食の時期に鉄分不足が起こりやすくなる、3つの理由を解説します。

1. ママからもらった鉄の貯金が足りなくなる時期だから

赤ちゃんは、ママのお腹の中にいるときに、たくさんの鉄分をもらっています。

ママからもらった鉄を材料に、血液をはじめとして、体の様々な細胞を作り上げます。
そして、生後しばらくはしのげる位の鉄の貯金を持って、生まれてきます。

ところが。
生まれた後の赤ちゃんって、どんどん成長しますよね。

体重なんて、あっという間に2倍、3倍になっていく。
その分、血液も、それ以外の細胞も、どんどんと増えていくわけです。

すると…
成長するにつれて、母乳・ミルクからの鉄分だけでは材料が足りなくなってしまい、貯金も徐々に目減りします。

そしてとうとう鉄の貯金が底をつくのが、ちょうど離乳食の時期と重なる生後7〜8ヶ月頃。
だから離乳食の時期には鉄分不足の状態になりやすいんです。

2. 鉄は腸管からの吸収効率が良くない栄養素だから

これは大人もそうなのですが…
鉄分というのは、そもそも腸管からの吸収効率が悪い栄養素です。

母乳やミルクからの鉄分の吸収効率は比較的良いのですが、食品から十分量を摂取しようとすると、かな〜り大変なんですよ。

また、鉄の吸収効率にはかなりの個人差があります。

私はこれまでにかなりの数の鉄欠乏(貯金の鉄がかなり減っている状態)の患者さんを診てきましたが、同じような食生活をしている人でも、鉄が足りなくなる人もいれば、全然不足しない人もいる。

同じように鉄のお薬を処方しても、ぐんぐん吸収する人もいれば、少しずつしか吸収できない人もいる。
中には、腸からの吸収効率が悪すぎて飲み薬では太刀打ちできず、点滴からの投与でないとダメな人までいる程に、差が大きいんです。

そんな、吸収の悪い鉄ですから…
まだほんのちょっとしか食べられない赤ちゃんが、食事から十分量を摂取できないのも、無理はありません。

余談ですが、もしあなたのお子さんが鉄分不足になってしまったとしても、あなたの離乳食が悪いとは限りません。
さっきお伝えした通り、吸収効率は個人差が大きいのですから

他の赤ちゃんは元気なのに、うちの子はなんで貧血になっちゃったんだろう…
私の離乳食が悪いのかな…

なんて、決して自分を責めたりしないで下さいね。
鉄の吸収しやすさは、みんな違うんですから。

3. 離乳食で十分な鉄を摂るのは、そもそも大変なことだから

鉄を多く含み、離乳食にも使える食品は限られています。
それを解説するために…まずは鉄の推奨摂取量と、鉄分が多い食品をまとめますね。

鉄の推奨摂取量
年齢 男の子 女の子
0〜5ヶ月 0.5mg 0.5mg
6ヶ月〜11ヶ月 5mg 4.5mg
1歳〜2歳 4mg 4.5mg
鉄を多く含む食品の例
食品名 100gあたりの鉄含有量(mg) 1回量あたりの鉄含有量(mg)
納豆 3.3 1.0(30g)
ほうれん草 2.0 0.6(30g)
小松菜 2.8 0.8(30g)
鶏レバー 13 2.6(20g)
シーチキン 2.6 0.5(20g)
牛赤身肉 2.7 0.5(20g)

例えば、納豆で1日分の鉄5mgを全部摂るとしたら…
1日150gを食べなければならない計算に。

四角いパックの納豆が、1パック40〜50g。
納豆3パックって、ちょっと絶望的な量ですよね。

最も鉄分が多い鶏レバーでも、1回20g、1日2回食べないと足りない計算です。
鶏レバーばっかり、そんなに食べられませんて…

その上、ほうれん草や小松菜などに含まれる植物性の鉄は、肉や魚に含まれる鉄よりも吸収効率が悪いんです。
これでは、十分な鉄が取れなくても、仕方ないですよね。

赤ちゃんにとって、母乳やミルクから摂れる鉄は貴重な栄養源。
成長して授乳回数や量が減り、母乳やミルクから摂れる鉄分が少なくなった時、食品から摂取することがいかに大変か…お分かりいただけたでしょうか。

鉄が不足すると起こる症状は?

冒頭でも簡単にお伝えしましたが、鉄は血液の材料となるだけでなく、体内の様々な細胞で大切な役割を担っています。

ここでは、鉄欠乏によって引き起こされる様々な症状の一部をご紹介しますね。

貧血による、顔色の悪さ・疲れやすさ

これは一番有名なやつですね。
鉄は赤血球を作るための主要な材料なので、不足すると貧血が起こります。

貧血になると…

・疲れやすい
・元気がない
・顔色が悪い

などの症状が出てきます。

大人でも貧血に気づかない人は大勢います。
赤ちゃんは自分で症状を訴えることができないので、軽い貧血では気づいてあげるのは難しいでしょう。

味覚の変化による食欲低下など

こちらも、教科書に載るような、代表的な鉄不足の症状です。

氷ばかり食べたくなるとか、土が食べたくなっちゃったという極端な例もありますが、わずかな味覚の変化を感じるとか、食欲がなくなる患者さんもいますね。

味覚の変化も、赤ちゃんでは気づいてあげるのが困難です。

神経細胞への影響による、不機嫌・発達の遅れや集中力の低下

鉄が不足している状態が続くと、神経細胞にも影響が出ることが分かっています。
これによって引き起こされる症状は

・ちょっとした刺激にも敏感に泣く
・運動発達が遅れる
・言葉や記憶の発達が遅れる
・落ち着きがなく、集中力が低下する

といったもの。

また、大人の患者さんでは体のどこかに痛みを訴える方もいます。

爪が反り返るなど、爪の変形

鉄分が不足すると爪が弱くなるため、爪が変形しやすくなります。
典型的な例は、スプーン爪といって、爪の甲が反り返ったように変形します。

ただし…赤ちゃんはそもそも爪が薄く、爪の変形も起こりやすいもの。
爪の切り方(両端を切りすぎる)や噛みグセなどでも、簡単に爪が変形します。

爪の変形があったら即鉄不足!ではないので、ご注意下さいね。

なんとなく不機嫌になる

ここまで様々な症状をご紹介しましたが、爪の変形以外は、赤ちゃんでは気づいてあげるのが難しい症状ばっかり!

疲れやすかったり、食べてもおいしくなかったり、痛かったりしても、症状を伝えられない赤ちゃんができる、唯一の表現方法は『なんとなく不機嫌になる』。

鉄の不足で不機嫌に…
逆に考えると、鉄をしっかり補充してあげるだけで、赤ちゃんの機嫌が良くなるかもしれないんです。

これ、日々子育てしているママにとっては、めちゃめちゃ大きくないですか?

余談ですが、これまでに数多くの鉄欠乏患者さんを診療した中で

ゆず
検査しても原因のわからない症状が、鉄の補充ですっかり良くなったわ…
よかった〜♪

ということを、実は何度も経験してきました。
医学の教科書には載らないものも、数多くあります。

それだけ鉄は、色々な役割を担っているんですね。

さて、次はそんな大切な鉄分を、離乳食の時期の赤ちゃんに簡単に補充する方法を解説しましょう。

離乳食期の鉄分不足解消には、鉄付加の市販離乳食が一番簡単!

赤ちゃんにとって、大切だけれど、不足しやすい鉄。
これを毎日の離乳食から簡単に摂る方法があります。

それは、鉄が付加された市販の離乳食を使うこと。

ここでは、必要な鉄が簡単に摂れる市販の離乳食について、解説しますね。

離乳食期に積極的に摂りたい「鉄」「亜鉛」「DHA」はシリアルで!

市販の離乳食の中には、離乳食期に積極的に摂りたい

・鉄
・亜鉛
・DHA

などが手軽に摂れる製品があります。

それは…シリアル(お粥みたいなもの)。
お粥なら味にあまりクセもなく、多くの赤ちゃんが食べてくれる上、主食なので毎日の食事に取り入れやすいですよね。

鉄が付加されたシリアルは、海外製品しかない

ところが…
日本の離乳食の基準では、鉄分を積極的に摂るよう勧められているのが、なんと9ヶ月以降。
このため、中期までの離乳食には、鉄分がたっぷり摂れる離乳食はほとんどありません。(2019年4月時点)

海外の製品には、4ヶ月頃から使える製品にも鉄が付加されているものがあるので…
現状では、それをお取り寄せするしかないようです。

海外の離乳食を簡単に取り寄せできるショッピングサイトに「iHerb」というサイトがあります。

iHerbなら、日本語でお買い物ができ、1週間ほどで商品が届くのでとっても便利。
しかも、配送業者もヤマトか佐川急便なので、安心です。

iHerbの使い方については、後日別の記事でご紹介しますね。

iHerb公式サイトを見てみる

【生後5ヶ月頃〜】初めての離乳食なら「ライスシリアル」がおすすめ

鉄や亜鉛、DHAなどが付加されたシリアルには、色々な種類があります。
例えば、

・お米から作られたシリアル
・オートミールから作られたシリアル
・複数の穀物のミックスで作られたシリアル

といった感じです。

この中で、生後5ヶ月頃からの初めての離乳食におすすめなのは、お米から作られた「ライスシリアル(rice cereal)」。

出典:iHerbより

使い方は簡単で、母乳やミルクと混ぜるだけ。
そのまま出してもいいし、レンジで温めてもOKです。

1回量の15gには

・1日に必要な鉄の45%
・1日に必要な亜鉛の20%

が含まれているため、1日2回出せば、鉄の必要量はほとんどシリアルだけでまかなえます。

ミルク粥ですから、アレルギーチェックをクリアした食品を混ぜれば

・さつまいものお粥
・かぼちゃのお粥
・リンゴのお粥

みたいな感じで、味のバリエーションも楽しめます。

余談ですが…

写真右の製品は、さらにDHAとプロバイオティクスが含まれています。
DHAは脳の発達に良い効果が、プロバイオティクスは腸内環境を整える働きがあります。

DHAは青魚などに豊富ですが、調理しにくかったり、アレルギーが出やすかったりするため、シリアルに入っているととっても便利。

また、離乳食期の赤ちゃんは便秘になりやすいのですが、プロバイオティクスには便秘を改善する効果も期待できます。

【生後6ヶ月頃〜】離乳食開始1ヶ月後からは、オートミールシリアルもOK

ずっとライスシリアルを使っても問題ないのですが、生後6ヶ月以降ならオートミールシリアルも食べられます。


出典:iHerbより

味は何というか…穀物味、です(笑)
でも、赤ちゃんは結構食べるみたいですね〜。

そのままでも食べられますが、ライスシリアル同様、アレルギーチェックをクリアした食材の中から

・バナナのペースト
・リンゴのペースト

などを混ぜて出してもいいですよね。

写真左の商品は、DHAとプロバイオティクスが入った製品です。
右の商品は、オーガニック(USDA認定)のオート麦で作られています。

ここでご紹介した製品は、どれもiHerbで購入できます。
海外通販とはいえ、簡単にお取り寄せできますので、チェックしてみて下さいね。

授乳中のママも鉄と亜鉛の不足に注意を

ここまで、離乳食期の赤ちゃんの鉄不足について詳しくお伝えしてきましたが…

授乳中のママさん!
赤ちゃんだけでなく、ママも鉄や亜鉛の不足にご注意下さいね。

では、授乳中のママで不足しやすい鉄と亜鉛について、解説します。

授乳中は鉄や亜鉛不足になりやすい

妊娠中に、赤ちゃんにたっぷりと鉄や亜鉛を提供してしまったママの体ですが…
授乳中にも、母乳からせっせと提供し続けているため、鉄や亜鉛不足になりやすい状態が続いています。

厚生労働省で作成された栄養摂取量の基準では、授乳中の場合

・鉄は+2.5mg
・亜鉛は+3.0mg

多く摂取することが推奨されているんですよ。

参考までに、授乳中の鉄・亜鉛の推奨摂取量をまとめておきますね。

授乳中に推奨される鉄・亜鉛の摂取量
年齢 鉄の推奨量(mg/日) 亜鉛の推奨量(mg/日)
月経あり 月経なし
18〜29歳 13 8.5 12
30〜49歳 13.5 9.0 12

出典:厚生労働省|日本人の食事摂取基準

ママの鉄・亜鉛不足は、母乳にも影響する

ママの体に鉄や亜鉛が足りていないと…
ママの血液から作られる母乳も、必然的に鉄や亜鉛の少ないおっぱいになります。

ないものは出せませんからね。

ママの体のためにも、赤ちゃんのためにも。
授乳中のママは、しっかりと鉄や亜鉛を摂取することをおすすめします。

授乳中の鉄欠乏、亜鉛欠乏には食事療法よりサプリメント

栄養を摂らなきゃいけないのは分かってる。
分かっちゃいるけど…

育児で忙しくて、しっかり食事が摂れないこと…多くないですか?
おにぎりとかパンとか、授乳しながら片手で食べられる食事で簡単に済ませるママさんも多いのではないでしょうか。(私もそう。)

そこで、おすすめなのは、サプリメントでの補充です。

鉄や亜鉛が摂取できるサプリメントは、色々市販されています。
中には、両方が同時に摂取できるタイプも。

こちらは、その一例です。

高価なものを購入する必要はありません。
安価なものでOKなので、信頼できるメーカーのものを購入して下さいね。

まとめ

この記事では、離乳食の時期に起こりやすい赤ちゃんの鉄不足と、その対処方法について、内科医ママの視点から解説しましたが、いかがでしたか?

最後に、この記事でお伝えしたことをまとめます。

離乳食期の赤ちゃんで鉄が不足しやすい理由

・生後7〜8ヶ月頃に、胎児期にママからもらった鉄の貯金が底をつく
・鉄は腸管からの吸収効率が悪い
・限られた食材・量となる離乳食で鉄分を十分量とるのは難しい

鉄分不足によって起こる症状

・貧血:疲れやすい、元気がない、顔色が悪い
・味覚の変化:氷が食べたくなる、食欲低下
・わずかな刺激に敏感に泣く
・運動発達が遅れる
・言葉や記憶の発達が遅れる
・落ち着きがない、集中力が低下する
・爪が反り返るように変形する
・なんとなく不機嫌

赤ちゃんは自分の症状を伝えることができません。
周囲から見てもわかりにくい症状が多いため、赤ちゃんの症状に気づいてあげることはなかなか難しいでしょう。

だからこそ、予防的に鉄をしっかり食べさせてあげることが大切です。

離乳食期の鉄分不足対策

・鉄が付加された市販の離乳食を使うのが簡単、確実
・鉄が付加されたシリアルは海外製品しかない
・「iHerb」というサイトで、簡単に海外のシリアルが購入可能
・生後5ヶ月頃〜なら、鉄付加のライスシリアルがおすすめ
・生後6ヶ月以降であれば、鉄付加のオートミールシリアルも使える

授乳中のママの鉄・亜鉛不足にも注意

・授乳中は鉄や亜鉛が不足しやすい
・ママの鉄、亜鉛不足は、母乳にも影響する
・食事から摂取するのは大変なので、サプリメントがおすすめ

鉄が付加されたシリアルを取り入れる方法は、

・おかゆを作る手間が省ける
・赤ちゃんの鉄、亜鉛が補える

と、赤ちゃんにとっても、ママにとってもうれしい一石二鳥の方法です。
ぜひ離乳食に取り入れてみて下さいね。

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